竹防簾と島、海、そして日没が幻想的な調和を成す三千浦港で荒い潮流に耐えながら育った泗川のアナゴは、気運が激しいことで有名である。その気運をそのまま味わう方法が泗川のアナゴ焼きであり、しこしこと弾力のある味が逸品である。形態は鰻に似ているが、鰻と違って海で棲息する。韓国では蛇に似た姿からあまり食べていなかったが、日帝強制占領期にアナゴを好んで食べる日本人の影響を受けて食用し始めた。
アナゴは地方により忠南と黄海道では 「ブンオジ」、 咸鏡南道では「ベンチャン」、珍島では「チャムジャンオ」、全南では「チャンエ」、あるいは 「クェチャンオ」など多様な呼称で呼ばれている。日本式名称である「アナゴ(穴子)」は、やはり海の砂底を貫き抜ける習性から「穴」の字が付いたことに由来する。昼には砂に胴を半ば隠したまま頭を持ち上げているが、他の魚が活動しない夜には餌を襲撃・捕獲する習性があるため、「海のギャング」と呼ばれる。