鳥貝は内陸近くの海の水深10mほどにある泥混じりの砂に棲息し、12月から翌年2月の間に採れるのが最も味が良い。泗川湾一帯の特産物である鳥貝は、毎年2月から5月の間に絶頂を成し、独特の季節料理として位置づけられている。鳥貝の大きさは子供の拳ほどであるが、皮には幾列にも深い穴があり、若干の毛まで付いている。
鳥貝の足は相当長く、皮を剥くと鳥のくちばしに似ていることからその名が付けられた。「鳥」の字は飛び回る鳥の字であり、形を見ればハイガイや赤貝に似ているが、水中で長い足を突き出して手探りする姿を見れば、全く別の種類であることが分かる。
貴族貝と呼ばれる鳥貝は必須アミノ酸や鉄分などの栄養が豊富で、「天が賜った贈り物」と呼ばれる。しこしことした身が鳥肉と似ており、特異な食感を誇る。